最近考えること。
楽しい話じゃないので、興味ない人は読み飛ばしてください。
日本のインディー系ライブに行くようになって1年が過ぎた。
最初にビックリしたのは、「取り置き」っていうシステム。それまでずっと洋楽のライブばっかり行ってたから、ネットで予約したチケットをコンビニで発券したり、コンビニの端末で直接検索して発券したりするのが普通やった。けどインディーやと、発券しなくてもチケットの予約ができる。それがチケット取り置き。
具体的には、バンドのHPの予約フォームに必要な情報を入力して送信する。バンドが公表してるメールアドレスに名前と日にちと枚数を書いて送る。など。最近はtwitterやfacebookのアカウントに「取り置きお願いしまーす」ってコメントするだけでOKっていうバンドも結構ある。バンドメンバーの連絡先を知ってれば「○日のライブ行くから取り置きよろしくー」って直接連絡して頼むこともできる。つまり、バンドの人間に予約したという事実が伝わればそれでOK。
そして当日、ライブハウスのキャッシャーで「○○(バンド名)で取り置きしてる××(自分の名前)です」って言えば、前売り料金で入れる。もし行けなくなっても、支払いは当日だからチケット代が無駄になったりキャンセル料が発生したりすることはない。(メンバーと知り合いなら一応キャンセル連絡はした方がいいです!)
取り置きのシステムはこんな感じ。なんでこういうやり方をするかというと、チケットを作る費用やプレイガイドとかの仲介費用を節約するため。やと思う、多分。それから、インディー系のライブは対バン形式がほとんどやから、どのバンドに何人ぐらいの客が入るかある程度把握するため。
ライブハウスやイベントによって細かい部分は違うと思うけど、大抵はライブハウスが課したノルマ以上にチケットが売れた場合、売れた分だけバンド側にバックとしてお金が入ってくる。だから、客を呼べば呼ぶほどバンドは儲かるわけです。
あたしが今回言いたいのはこの部分について。
集客のためにバンド側は「○日のライブおいでや!」「○日の分、もう取り置きした?」って連絡してくる。それは全然いいと思う。生活懸かってるからね、バンドマンも。
多分、客側が困るのは同じ日に好きなバンドが複数出てる場合。どのバンドで取り置きするのか?っていうことが問題になってくる。一番好きなバンドを選ぶという正当派もおれば、一番最初に連絡してきたバンドを選ぶ人、一番仲いいバンドを選ぶ人もおる。一番客が来なさそうなバンドを選ぶという優しい人もおる。(笑)
もうその辺は個人の判断やから、どのバンドの名前で取り置きしようが客の自由。やのに、その自由を奪おうとするバンドがおるっていうのが、あたしは悲しい。
あるバンド名義で取り置きしてたら、同じイベントに出る別のバンドから連絡が来て、「なんでうち名義で予約せんのや」って怒られた。
という話を何度か聞いたことがある。そんなこと言う権利はバンド側にはないよね。汗水たらして働いたお金で、息抜きのためにライブハウスに来て好きな音楽を聴くんやから。自分の財布から出るお金の使い道は自分で決めるのが普通。
バンドマンが「ライブ来てよ」って連絡してきて、「その日は他のバンドで取り置きしてる、ゴメン」って返したら「あっそ」みたいな返信が来たっていう話も聞いたことがある。ひどい時は返信さえ来ないとか。
あたしもライブの誘い受けることあるけど、「ゴメン、もう予約済みやわー」って言ったら大抵は「そうなんや、当日会うの楽しみにしてるね!」とか、そういう優しい返事が返ってくる。恵まれた交友関係で良かったなって思う。
バンドが他のバンドから客を奪う手段として許されるのは、音楽だけやと思う。脅しみたいなこと言ったりキレたりする前に、カッコいいライブしろよって思う。カッコいいところ見せれば、次は自分のバンド名義で取り置きしてくれるかもしれんやん。シビアな言い方やけど、自分のバンドで予約してもらえんかったってことは、他のバンドの方が魅力があったってことやん。(必ずしもそうじゃない場合もあるけどね)だから、そのバンドより魅力あるバンドになればいい。
しつこく頼んだり無理強いしたりするのは、バンドの価値を下げるだけ。だってさ、「うちは客呼べません」って言ってるようなもんやん。そんなのカッコ悪いよ。
あたしは、取り置きはバンドと客の距離が近いからこそできるいい仕組みやと思う。もちろん問題や課題もたくさんあるけど。集客力が上がっても、取り置きという形にこだわるバンドもおる。人と人とのつながりでイベントが成り立つんやもんね。
客はバンドの所有物じゃないっていうことを、声を大にして言いたい。ライブに来るのが当たり前って思わないでほしい。時間割いてお金払って観に行くんやから。
感謝の気持ちを忘れないバンドマンが好きです、あたしは。いくらいい音楽やってても、感謝がない人間の出す音は心に響かない。
[4回]
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