恥ずかしながら、あたしも彼のことをちゃんと知ったのはここ数年。 きっかけはNirvana。Nirvana結構好きで、Kurtが自殺した時に残した遺書の中で引用されてたNeilの『My My, Hey Hey (Out of the Blue)』の歌詞の一部「it's better to burn out than to fade away(消えてしまうより燃え尽きる方がいい)」を知った時すごく印象に残って、どんな曲だろう?って思った。YouTubeで調べてみたらすごくいい曲。一回聴いたら耳から離れなかった。 名前はなんとなく聞いたことがあって昔からいるアーティストだってことはわかってたから、父親に「Neil Youngってどんなアーティスト?」って聞いてみた。そしたら、アルバム『After the Gold Rush』『Harvest』、Crosby, Stills & Nashの『4 Way Street』を貸してくれた。
渋い。というのが最初の感想。アルバム『Tonight's the Night』の表題曲で、このアルバムは全体的にブルージーな感じです。 実はこのアルバムは、上の『See the Sky〜』が入ってる『On the Beach』よりも早い時期に録音されてる。(1973年)この時期Neilはドラッグのオーバードースで2人も友人を失くしてて、それがバックバンドCrazy HorseのギタリストDanny WhittenとローディーのBruce Berry。彼らを想って作ったアルバムが『Tonigh't the Night』です。 哀悼の作品ということもあってか、なかなか納得いくものが録れなかったNeilとバンドメンバーは、ベロベロになるまで酔って、その状態でレコーディングに臨んだらしい。その結果ラフでヘヴィなアルバムが完成。でもレコード会社に「暗すぎる!」と評されお蔵入り。その後この音源を聴いた友人たちに後押しされて、ようやく発売に至ったとのこと。 この曲はBruceのことを歌ってる。Bruceは働き者だったとか、彼はみんなが帰ったあと俺のギターを弾きながら歌ったりしたとか、彼の思い出が語られて、後半で彼の死を電話で聞いたっていうエピソードが出てくる。そしてサビは「Tonight's the night」の繰り返し。「悲しい」「寂しい」っていう言葉は一切出てこない。それでもNeilのやりきれなさが伝わってくるんだよね。きっと言葉で表せないぐらいつらかったんやと思う。